Gekkan Dennou Club 147

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Text File | 2000-07-11 | 14KB | 471 lines

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　編集部からのコメント ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 木場さん　最終号に向け、多くの方から音楽投稿をいただいたわけですが、予想に反して、「最後だから○○な曲」という明確なコンセプトがあったのはこの作品含め、ものすごく少数でした。うーん、なんつーか。まあ普通でいいや、そんな感じですかね。　曲は２拍子のサンバですが、キャッチーなメロディに無機的なバックの組み合わせという組み立て、切り貼り風リズム処理など、いかにも「サンプリング野郎（勝手に呼称失礼）」木場さんらしい曲といえます。終盤、リタルダンド終息してきておしまい、との予想を裏切ってループパターンに入る部分はやられました。川中さん　懐メロ大スタンダードです。いや、この曲を選んでいただけた事自体に拍手です。ある意味エンディングのオルゴールというか、データの作り自体はチープで、リストも短いのですが、（昇）氏いわく「鳴らし方に美学がある」。なんか左右のパイプ系の音が妙にハマっていて、こんなスターダストもアリなのか、と納得させられました。昔の電脳倶楽部にショパンのノクターンが載ったことがありましたが、イメージ的にはそれに近いように感じられます。いっそのことADPCMトラックはない方がいいかも。鈴木さん　イントロの変態アフロ的な部分がカットされていますが、これは仕方ないでしょう。他にも、至る所でコピーのしにくい（楽器を聴き分ける自体難しい）ネタ満載な元曲のアレンジ。採譜の苦労が浮かぶようです。原音再現は無理な話ですが、しかし、それを差し引いても、いつもの鈴木さん作品に比べてパワーが不足しているような？　やはり、ギターが左右にないと苦しい、あるいは、もっと派手なオルガン音色を使うなどした方が良かったかもしれません。トラック設計、アレンジが必要で面倒、かつ、時間がかかってしまい、難しいところですが。　ところで、後番の「魂」はどうなんでしょ。なんか、いきなりボロクソ言われてるみたいですが。るてさん　音楽関係では、はじめまして、かな？　いただいた曲は、ノリも良く聴いていて気持ち良いですが、ちょっと元ネタがわかりすぎる（Oh!Xのゲーム、SION）のが問題と思います。ソロはうまいし、音源の鳴らし方、１曲のまとめ方はキッチリできる人なので、あとはいかにオリジナリティ、というか、ある曲をベッタリ土台にしないやり方、を確立していくかに尽きるでしょう。 kitさん　先月に引き続きkitさんの曲です。というか、新規投稿でなく、「さよなら言わないで」という曲名→最終号回し、という方針だったのですが。　曲の方ですが、リズムが妙に浮いているのではないかと（賑やかすぎ）。ここは、もうちょっとテンポを落とし、控えめなバスドラム＋リムショット、というのが（常套すぎなようですが）メロディを引き立てるんではないでしょうか。勝手な解釈ですが、歌詞の印象からも、しっとりアレンジの方が合うような気がします。 muteさん　ＤＴＭもここまできたか、というのが素直な感想です。元曲より音が薄いのが気になるぐらいで、ヒューマンなソプラノサックスの演奏は、ハード側の進歩があるとはいえ、打ち込みでここまで表現してくれるとやはりブッ飛ばざるを得ません。ブレス感や高音のフラジオ音（倍音が強調された、割れた音）、ハマりまくりです。どうでも良いことですが、ＤＴＭでアンブシュアはできんのではないかと先月書いたばかりの私の立場がまるでありません（ただの勉強不足）。　一般的にプリセットが弱いといわれるヤマハ音源ですが（ＰＣＭサンプリング技術のノウハウの問題？）、エフェクト、各種コントロールが充実していることもあって、作りこみ、音源の使いこなしでそれを克服できます。そのあたりは muteさん自身による制作ガイドに詳しく書かれています。おいしくいただきましょう。宮崎さん　いずれも宮崎さんの「系」がよくわかる曲です。ご自身でもアレンジの詰めがイマイチ、とおっしゃっていますが、確かに淡々としすぎているように思います。派手な展開や、一部毛色の違う部分（楽器編成など）も混ぜてみるなりするなど、飽きさせない工夫、そして、執念の「作り込み」が必要ではないかと。あの「BURN」を作った宮崎さんなのですから、それぐらいは期待したいのですよ。『MIRAGE』　ピアノがいい感じです。ラスト近くのピアノ３連フレーズ辺りはうまくシンバルワークとかで盛り上げてやると良いと思います。その辺含めてリズムアレンジに再考の余地ありと感じました。『GARNET』　これはもうJ-ROCK風と言いますか、ギターアレンジの堅実さはお手本となるでしょう。全体としてノリ良くまとまっています。ストリングスの使用はちょっと定番すぎるので他の楽器に置き換えてみるとかはどうでしょう。『NUDE』　イントロ、ラストの分数コードのオスティナートが良いです。特にラストのはかなりひねってあって面白い。しかし、ディスコ系はノリ命、とはいうものの、リズム的にちょっとしたブレイクやフィルインが個人的には欲しいです。あと上モノにオブリガード的なフレーズがあったりするとメリハリついていいんじゃないでしょうか。 fussyさん　失礼ながら、ハードロック、あるいはプログレ専門の方とばかり思っていたのですが、ワーグナーとは意表をつかされました。まあプログレ－クラシックのつながりは密接と言えばそうなんですけど。　しかし、オーケストラの打ち込みは初めて、とは思えない出来です。特にオーケストラの配置、楽器の定位感はボリュームバランスとパンポットだけではどうにもならず、エフェクト設定が鍵を握ると思います。ただ各所に分かれているだけだったり、逆にグチャグチャに混ざり合ってしまったりして難しいところでしょう。これが何事もなかったかのように見事に表現されているのです。オーケストラ特有のダイナミクスコントロールも、エクスプレッションの細かい設定など駆使してきちんと作りこんでありますが、それがＣＤに焼いた段階で再現できなくなってしまうのが残念というか申し訳ないというか。 Skit.さん「不思議な気持ち」　電脳倶楽部でボサノバタッチの曲を作る人が（私の）他にいたことに感動しているのですが、それはさておき、非常にかわいらしく、洒落ています。メロディの歌い出しのcde～の上品さはいかにもアレンジとマッチしていてツボでしたが、反面、イントロが浮いているというか、あんまりボサっぽくない気がします。しかし、半音階や特殊スケールを使った、アツイ、いやCOOLなフルートソロの組み立てはお見事。　なお編集部で左のギター（トラック４）の音程ミスを３箇所修正させていただきました。元ＭＭＬはコメントアウトしてあります。「約束の日」　これはアレンジが凝っていて相当にいい感じです。なんか、マイナー（短調）曲をベタベタでダサくさせない方法、という永遠のテーマについて、見事な解答を見せられた気分です。お手本にしまくると良いでしょう。しかし、こういうきっかけも作曲のエネルギーになるんですねえ（Skitさんのドキュメント参照）。 Mark44.さん　「道」ときて「空」、しかもアコースティックなアレンジは共通。姉妹作なんじゃないかと余計な勘ぐりを入れてしまいますが、この「空」、オーケストラ風だったりボサノバ風だったり、こちらも表情豊かにアレンジされています。これは合作／分業のメリットですね。バイオリンソロなんかあまり聴く機会ないので新鮮に思えました。イントロは何かの劇伴みたいで雰囲気十分です。　しかし、ここに来て、歌詞トモな曲が多いこと。電脳倶楽部でもボーカル曲企画はもっとやりたかったですよね。　以上（水）より。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 　「知恵と勇気だ！メダロット」　メダロットのオープニングですか。結局観ませんでしたが、新シリーズが始まっているようですね。元気の良い曲です。ＦＭで元気良く、というところは良い感じです。ギターソロも結構頑張ってますが、難易度の高い曲です。実は、ところどころ抜けていて完成していない版ですが、完成したら、まあ差分形式だけなら Webで配布しても問題ないんじゃないかなあ、と思われます。元がないと聴けないですし。　シングル買いましたが、エンディング曲「やっぱり君が好き！」がほのぼのとしていいかなあ、などと思ったりもします。　鈴木さんのアニメの曲データはまた聴く機会があるといいなあ、と思います。その際は、ぜひエンディングも！　「STARDUST」　Jazzやパートの少ない曲やソロの演奏などは、ＦＭでやると、たいてい貧弱に聞こえてしまいます。これは、圧倒的に音源の表現力が足りないことと、あとは空間の手触りを作りにくいなど色々な要因があります。しかし、この曲はなぜか味わい深い仕上がり。あまり機械的でない音をそっと重ねていったあたりが良かったのかな、と思います。ベースの音色なども、人柄が出ている音だなあ、と思います。　できれば、MIDIの音源で作り込んでみる、などもやってみてほしいところです。納得のいくプリセット音がなくて、かえって難しいかもしれませんよ。　「さよなら言わないで」　kitさんのオリジナル曲。歌い易く、覚え易いよい曲だと思いました。　ただ、アレンジは今後の研究課題と言えるかも知れません。特にドラムパターンを派手に鳴らしている部分はノリが良くないように思いました。あまり過剰に叩くのは、おとなしい部分とのバランスも良くないし、ベースがうまくドラムと掛け合っておらずリズムを作り出せていないようです。　あと、クラッシュは使いすぎです。あえてどんどん削っていき「ここは」という所を絞って使った方が良いでしょう。自作の場合、どのフレーズも大事に思うのはいいことなのですが、反面「やりすぎ」を生み易いと思われます。一本調子にならないように心がけましょう。　リアレンジして発表してくれる事を期待しています。　「147th Carnival」　木場さんには結構長い間、オリジナル曲の投稿をいただきました。発想のおもしろさと、ちょうど投稿がなくて困った時に、なぜか投稿が来る、みたいな所がありました。我が道を行くという感じで今後も曲＆プログラムづくりに邁進していただきたいと思います。　サンバ＋テクノ風というと、水野さんと、松本さん両方の影響かな、など色々と考えると、電脳倶楽部ってやっぱ偉大な場所だったなあ、と思います。　今回の曲は、サンバというと基本的に明るいジャンルなんですが、なんかちょっと違った寂しさのようなものも入っている感じです。不思議な曲ですね。　「竜の踊り」　るてさんは、FMもMIDIも達者に使える方のようです。音の感じとしては、Oh!X で名を馳せた進藤節を目指している、というところでしょうか？　ですが、水野氏のコメントにもあるように、メロディ、進行とも、SION2,4で使われた曲に似すぎていました。特に元のメロディを一部だけ替えたような感じ（進行はほとんど同じ）に聞こえるものもあり、これはちょっとそのまま掲載するのはマズイだろう、というところに落ち着きました。電クラでなければ「無条件で出入り禁止」の可能性もあると思います。掲載が１曲だけなのはそういう理由です。もちろん、ハッキリ黒だとは言いきれない面もあるのですが、重ねてオリジナリティが求められます。　誰でも、色々な曲を聴いて育つモノですから、この部分はどこか似ている、とかいう事は自然にある事ですし、同じジャンルの曲なら、お決まりの進行ってのもあります。が、やはり、自分でコード進行を考え、出だしはこの曲と一緒だけど、展開は全然違うとか、メロディでも自分のフレーズを見つけて、それを軸にするとか、そういったものが聴く者にわからなければ、本当の意味でのオリジナル曲になっていきません。ぜひ、頑張ってみて下さい。　ワーグナー「愛の死」　Fussyさんは、今回はクラシックの投稿ということでした。２パート使ってますが、ダイナミックレンジが広く、小さいところはかなり小さく鳴っているので慎重に調整しましたが、いかがだったでしょうか。録音はコンプレッサを通さず、波形エディットで大きい部分をの音量を調節した上でトータルリミットではあまりコンプレスしすぎないよう調整してますが、クラシックらしくなっているでしょうか？　なお、序盤の音量が小さいからといって、ボリューム上げすぎると、最後は大音量になりますのでCDで聴く時は、注意して下さい。　全体に良いできだと思いましたが、元のデータを聴いた感じだと、若干オーケストラ配置が前後に広すぎるような感じがしました。ソロの音も全体に埋まってしまって、切れがない感じがしました。しかし、パートをたくさん使って、楽器をたくさん小音量で全体的にじわじわと鳴らしていく、という作り方の方向性はオーケストラにおいては間違っていないと思われます。Webでの発表には問題のない曲なので、今後さらに調整したバージョンもぜひ聴かせていただきたいところですね。　「LIKE THE WIND」　アルバム「ANDY'S」に収録された女性ボーカル曲ですが、グランツーリスモ（GT）でも使われた曲。というか「ANDY'S」に入っていた曲はほとんどGTで使われていましたね。muteさんはレース好きということもあってか、最近はF1や、GT とかで使われている曲が多かったと思います。毎度ながらレベルの高いデータです。制作は、WINDOWSに移行されていますが、やはりデータは腕です。いかんなく実力を発揮されています。　今回は、WAVデータごと送っていただいたものをそのままオーディオトラックへ掲載しました。　「MIRAGE」「GARNET」「NUDE」　宮崎さんの３曲。色々な曲が書ける、アレンジできるというのはいい事ですね。　「MIRAGE」から。バラードにいいモノを持っているのが正直意外な感じがしましたが、よく考えたらなんか納得しました。やはりバンドやって楽器知ってる人だけあって、古い音源の音でも、トータルにバランスよく作ってあり、聴かせるデータでした。曲としては「MIRAGE」が、一番気に入りました。　「GARNET」は、「FIRSTLY」と同系統のロックですね。このギターのノリが結構、ツボでいい感じです。　「NUDE」は、ゲーム向きかなあ、と思いました。また、メロディは飽きが来ないです。もっとしつこく色々な音色や変奏でループしててもかっこ良くなりそうな感じがします。　いずれも、生でボーカル付きで聴いてみたいです。　「不思議な気持ち」「約束の日」　Skit.さんの２曲は、落ち着いた感じの良い曲だと思いました。ＧＳ用に作成されており、アレンジもしっかりしています。っと、歌詞付きのボーカル曲ではないですか。もっと早く投稿して欲しかったですね。そのままでもボーカル付きにできますね。　さて、ＣＤトラックの収録は、SC88proの55mapで行いましたが、どうだったでしょうか？　SC55を持っている人は聴き比べてみて下さい。　「空」　河野さんの最後の投稿は、チーム制作との事。クオリティは非常に高いのですが、正直なところ、全体に悲しみの表現が、くどい感じがしました。　メロのサックスとバイオリンがそう感じさせるのかも知れませんし単に好き嫌いの問題かも知れません。別にさわやか、元気ばかりが音楽ではありませんよね。　でもって、「読者の落ち込みは計り知れないんだ」というメッセージのようにも受け取れてしまい、ちょこっと落ち込みました。なんか、最後にこんなコメントで申し訳ありません。　以上、（あ）より。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ （ＥＯＦ）